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Q32.遺言をどこに保管すべきか[POSTED]:2019-11-20
探しにくく見つけやすく。特定の相続人の管理下だと闇に葬り去られることも。公正証書だと相続人が探索できる。
遺言を書いたがどこに保管するべきなのか
これは、遺言を書いたことを相続人となる人間に話すべきなのかどうなのかという問題と関連する。
遺言を書いたことを話すべきだということであれば、保管場所も伝えておかしくはない。
保管場所を伝えるということになれば、火災や紛失から守られる場所であれば良いので、秘匿性自体は問題にならない。
書かされた遺言を想定すると、当然書かせた人間が内容も保管場所も把握している。
遺言をどこに保管するべきなのかということは、前提として書かされた遺言ではなく、遺言を書いたことを話していない場合にこそ、一番実益のある問題である。
遺言を書いたことを話していないということは、生前には秘密にしておきたいということだ。
生前に内容が分かってしまうと、揉め事が発生するような遺言の内容である。
ただしいくら秘密にしておきたいと言っても、あまりに秘匿性を重視してしまうと、本当に闇に葬り去られてしまいかねない。
せっかく書いた遺言であったとしても、日の目を見ない限りは書いた意味がない。
とすれば誰もがたどり着かないような場所に隠しておくようなことは避けた方が良いだろう。
ある程度自宅や家の中で、保管場所に繋がるようなヒントがなければならない。
金庫がある場合は金庫の中でも良いかもしれないが、 介護が発生した時などに預金通帳などの財産を管理する家族が、 遺言の中身も見てしまうかもしれない。
本当に秘匿性を重視するならば、 遺言は物理的に家族が出入りする空間とは別の場所で保管しても良いだろう。
例えば貸金庫や文書保管専用の金庫サービスなどが考えられる。
遺言を書いて遺言執行者として弁護士などの専門家を指定した場合は、専門家に遺言を預かってもらうこともできる。
ただし、 相続が発生するまで専門家とのつながりは持っておかなければならない。
相続発生したことを、遺言保管している専門家が把握していない限りは、やはり遺言の内容が闇に葬られてしまう。
継続した顧問サービスの提供を受けている人間に対して遺言を託す、というのが良いのかもしれない。
相続の発生も、顧問サービスの提供をしている人間であれば把握することが可能であるからである。
特定の推定相続人に対して遺言を託すというのは避けた方が良い。
その推定相続人との関係がどうなるかも分からないし、 あくまで利害関係者であるからだ。
遺言は相続人の手に委ねずに、自分で財産の処分を決められるというのが本質的な内容なのだから、相続人 見られてしまっては改ざん破棄などのリスクを負ってしまうので本末転倒である。
法改正により、自筆証書遺言が法務局で保管してもらえるようになった。
積極的に利用することも考えてよいだろう。
公正証書遺言であれば公証役場に原本が保管される。
そして公正証書遺言の存否は、相続発生後であれば相続人が確認ができる。
ただし公証役場が相続発生を各地して積極的に相続人に対して、 公正証書遺言の存在を教えるというものではない。
あくまでも相続人が自ら公正証書遺言の存否を、公証役場に対して確認する必要がある。
その意味では遺言を作ったという事実自体は、相続人となる人間に教えておいた方が無難である。
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